【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染拡大を受け、米国で景気回復ペースの減速が鮮明になってきた。8月に入って外食・レジャー需要が足踏みし、消費者心理も悪化。7~9月期の経済成長予測を下方修正する動きが相次いでおり、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和策の縮小開始が遅れる可能性もある。
 米国では今春、新型コロナのワクチン接種普及で経済の正常化が進展し、飲食店や旅行産業が急激に復調した。ただ、デルタ株の影響で6月下旬以降は感染者数が増加。1日当たりの新規感染者数は13万人前後と、以前の10倍程度に膨らんだ。
 これが消費行動に暗い影を落としている。米レストラン予約サイト「オープンテーブル」によると、飲食店の予約状況は7月ごろにコロナの影響をほぼ払拭(ふっしょく)。ところが8月に急ブレーキがかかり、現在はコロナ前を約15%下回る水準で推移する。
 米ミシガン大学が13日発表した8月の消費者景況感指数は約10年ぶりの低水準。レジャー需要が主導した航空機利用にも陰りが見え、米航空大手は「航空券予約のキャンセルが増えている」と不安を募らせる。
 米金融大手ウェルズ・ファーゴは7~9月期の米成長率見通しを従来予想の8.8%から6.8%に引き下げた。「デルタ株のせいで消費者が支出を抑えた」と明言するエコノミストもいる。
 金融市場では、FRBが景気下支えのために導入した大規模金融緩和の縮小を年内に始めるという観測が広がっている。一方、FRB内部からは「(デルタ株が)需要に影響を及ぼし始めれば、見方は変わる」という声が上がっており、行方は不透明だ。 (C)時事通信社