新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い緊急事態宣言が北海道や宮城県など21都道府県に拡大され、対象地域の経済規模は全国の8割に及ぶことになる。まん延防止等重点措置の地域も広がり、日本全体の個人消費は一段と押し下げられる見通しだ。政府は国内総生産(GDP)が年内にコロナ前水準に回復することを目指してきたが、民間エコノミストらは回復時期がさらに遠のくと予想する。
 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、今回の対象地域追加で個人消費の減少額が1兆4000億円から1兆6000億円に拡大すると試算した。7~9月期GDPは1%程度押し下げられ、「プラス成長は厳しい」と予測する。医療提供体制を拡充しない限り経済回復は難しいとして、GDPが年内にコロナ前の水準を回復するのは「絶望的」とみている。
 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、7月からの宣言による個人消費の減少額を3兆8400億円と推定。宣言の対象地域のさらなる拡大や延長もあり得るとみて、「ワクチン接種進展による政府のV字回復シナリオは崩れた」と指摘する。海外での感染再拡大の影響で、回復をけん引してきた輸出の先行きも不透明になってきており、コロナ前水準への経済回復は「来年度後半ぐらいにずれ込むのではないか」と分析している。 (C)時事通信社