【ワシントン時事】米食品医薬品局(FDA)が米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを正式に承認したことで、ワクチン普及が加速するという期待が、当局者や専門家の間で広がっている。デルタ株の拡散で新規感染者が再び急増する中、ワクチンに対する国民の不信感が軽減されるのに加え、自治体や民間企業が接種義務化に踏み切りやすくなるとみられているためだ。
 「FDAの承認は、ワクチンの安全性と効果を示す絶対的な基準だ」。米政府のマーシー医務総監は24日の記者会見で、これまで緊急使用許可に基づき接種されていたワクチンが、FDAの「お墨付き」を得た意義を強調した。
 米国では1日当たりの新規感染者数が最近2カ月間で10倍以上に増え、頭打ちだったワクチン接種はここに来て再び増加に転じた。米政府はFDAの正式承認で、ワクチンの効果や安全性に懐疑的だった人が接種を決断し、増加傾向に拍車が掛かることを期待している。
 会見に同席したザイエンツ新型コロナ対策調整官は「企業や非営利団体、州や自治体のトップで、FDAの承認まで(従業員や職員の)ワクチン接種義務化を見合わせている皆さんにとって、いまがその時だ」と呼び掛けた。ロイター通信は専門家の見解として、FDAの承認で、接種を拒む従業員などが訴訟を起こしても、義務付けを覆すことは「ほぼ不可能になる」と報じた。
 実際、FDAの承認を受けて国防総省が全軍人にワクチン接種を義務付けたほか、石油大手シェブロンや金融大手ゴールドマン・サックスが、一部従業員の接種義務化に踏み切った。ファイザー以外のワクチンにもFDAの承認が下りれば、そうした動きがさらに広がると見込まれている。 (C)時事通信社