日本小児科学会と日本小児科医会は昨日(8月26日)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が第五波とされる状況にあり、これまでより感染力の強いインド型変異(デルタ)株を主流としていることを踏まえ、小中学校や高等学校などにおける2学期の再開に関し声明を発表した。声明では、一斉休校を行うのではなく、各地域の感染状況に合わせて休校や学級閉鎖、分散登校などを考慮する必要があると指摘。行政機関には、教育委員会などがそうした判断を行う際の具体的な基準や期間の目安を提示する必要があるなどと訴えている。

学習塾や学童保育などでも感染対策徹底を

 声明では、現在のCOVID-19の流行状況に鑑み、小中高校における2学期の再開時には全国一律に休校措置を取るのではなく、各地域の感染状況に応じて、やむをえない場合には休校や学級閉鎖、分散登校などを考慮すべきであるとした。

 行政機関に対しては、教育委員会や学校設置者などがそのような判断を行う際の具体的な基準や期間の目安を提示しなければならないと主張。各地域のCOVID-19流行状況について、日本学校保健会が運営する「学校等欠席者・感染症情報システム」でリアルタイムに把握し、データを関係機関が利用できる環境を整備する役割を担うよう求めている。

 学校においては、不織布マスクの着用や教室の十分な換気といった効果的な感染対策を継続するとともに、学習塾や学童保育施設など、校外でも感染対策を徹底することが極めて重要であると強調。こうした施設の教職員などには、積極的なワクチンの接種を検討するよう勧めている。

 また、休校に伴い小児を養育するために仕事を休まざるをえない保護者の職場については、理解と支援が必要である点にも言及した。

中学校・高校ではより強い感染対策が必要

 さらに、10歳代はウイルスの感染性が成人と同等であることが示されている点を踏まえ、中学校・高等学校には、小学校よりも強い感染対策を要するとの見方を提示。特に高等学校では、リモート教育の積極的な活用が望まれるとした。

 その他に、家庭における経済的負担の軽減を図るため小児用マスクの無償提供を考慮し、今後の感染拡大に伴う新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キットの需要の増加を想定し、国主導で十分量を確保すべきと呼びかけている。

 加えて、小児のSARS-CoV-2陽性例が今後さらに増加した場合には、地域で小児の入院医療調整を行うための連携体制を強化するよう要求。電話やオンライン診療などを活用し、自宅療養している小児患者を支援する制度を急ぎ整備しなければならないと指摘している。

(陶山慎晃)