新型コロナウイルスが猛威を振るう中、感染者が全国最多の東京都では、新規感染の半数程度を20~30代が占めている。都は、若年層へのワクチン接種加速がカギを握るとして、若者向けに予約不要の会場を開設したが、想定を上回る人が殺到し、現場は混乱。国からの供給不足も続き、接種促進の足かせとなっている。
 都が7月実施したインターネット調査によると、ワクチン接種を「希望する」と答えた人は、60~64歳で9割以上に達したのに対し、20~30代では8割前後だった。
 「感染が急拡大している若者世代に、いち早くワクチンを浸透させる」。小池百合子知事は8月18日の都議会で、新たに予約不要の若者専用接種会場を渋谷区に設置する方針を宣言。気軽に接種できる場を設けることで、若者に重い腰を上げさせる狙いがあった。
 ところが、初日の27日には早朝から長蛇の列ができ、午前11時50分に受け付けを開始する予定が、同7時半には受け付けを打ち切る事態に。都は急きょ、2日目から抽選制に切り替えたが、現場で抽選券を配る方式だったため、28日にはまたも長い列となり、倍率は6倍を超えた。猛暑の中、並んだ末に落選した人の間からは「都のやり方はおかしい」との声も噴出した。
 都は8月、都内の3大学と連携し、学生向け接種会場も次々と開設。全ての会場で予約枠は9月中旬まで埋まっているという。
 都はさらに、早ければ10月下旬から、接種した20~30代向けにクーポンを付与するキャンペーンを実施する計画を立てているが、国からの供給量は必要量を下回る状況が続く。担当者は「供給できる量など状況を見て、開始時期を遅らせる可能性もある」と言葉を濁す。
 一方、都内では、杉並区や新宿区が若者の接種予約開始時期を早める独自の工夫を凝らした。杉並では、7月初めの60~64歳に続き、同月6日から12~39歳の予約を受け付け、40~50代は14日からとした。
 ただ、両区とも「どの年代でも設定した予約枠より、希望者の方が圧倒的に多く、国からの供給が追い付いていない」と嘆く。杉並区の担当者は「若年層の接種勧奨が取り沙汰されているが、ワクチンがなければPRもできない。じくじたる思いだ」と明かした。 (C)時事通信社