厚生労働省は31日、病気やけがの治療で2020年度に医療機関に支払われた概算の医療費(速報値)について、前年度比3.2%減の42兆1648億円だったと発表した。医療費が減少するのは4年ぶりで、減少幅は過去最大。新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクの着用や手洗いが定着しインフルエンザなどの患者が減ったほか、コロナ感染を懸念した受診控えも影響した。
 概算医療費は、社会保険料や税金、患者の窓口負担分を集計したもので、全額自己負担の医療や労災などは含まない。医療費全体を表す国民医療費の約98%に相当する。
 医療費の内訳は、「入院」が3.4%減の17兆496億円、外来受診や往診などの「入院外」が4.4%減の14兆2072億円。「歯科」は0.8%減、「調剤」は2.7%減だった。
 疾病別では、呼吸器系疾患が25.3%減の1兆6724億円。厚労省によると、インフル患者は推計で約1万4000人と、前シーズンの約728万5000人から激減した。コロナ関連は1200億円程度だった。
 診療所での外来・往診などを診療科別に見ると、減少幅が最も大きかったのは「小児科」(22.2%)で、「耳鼻咽喉科」(19.7%)が続いた。インフルや風邪で受診する子どもが減り、年齢階層別でも、未就学児の医療費は19.1%の大幅減となった。
 国民1人当たりの医療費は、1万円減の33万5000円。このうち、75歳以上の後期高齢者は92万円となり、75歳未満(21万9000円)の4倍超に達した。 (C)時事通信社