日本における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査陽性者に20歳未満が占める割合は、2020年4月の3.9%から2021年7月には11.3%と漸増し、10歳代が占める割合は2020年4月時点では2.3%であったが、2021年7月には7.3%と増加している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内小児発生例に関するレジストリ調査を継続している日本小児科学会は、昨日(8月30日)、国内小児COVID-19症例における感染源についての中間報告を公表。幼稚園・保育所での感染の割合および小児間感染の割合が増加傾向にあることが示された。

保育所での感染の4割が小児間での感染

 調査対象は、日本国内においてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはLoop-mediated isothermal amplification(LAMP)法などによりCOVID-19と確定診断された20歳未満の全ての小児患者。対象患者および保護者の同意の下で収集した情報は日本小児科学会の公式サイト日本小児科学会COVID-19日本国内における小児症例に反映され、国内発症小児COVID-19症例の臨床経過の検討にも使用されている。さらに、日本集中治療医学会との情報共有により小児重症例の早期把握に活用される他、世界保健機関(WHO)、国際重症急性呼吸器・新興感染症コンソーシアム(ISARIC)の国際共同データベースにも二次利用されている。

 国内小児COVID-19症例における感染源は、2020年2月1日〜21年6月30日に報告された2,319例では70%が家族内感染であり、学校および幼稚園・保育所での感染はそれぞれ6%であった(図1-左)。一方、2021年7月1日〜8月17日に報告された331例では、家族内感染が72%、学校での感染が4%と大きな変化は認められなかったのに対し、幼稚園・保育所での感染は9%と増加が認められた(P=0.024、図1-右)。

図1. 国内小児COVID-19症例の感染源

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 さらに保育所における感染源の内訳を検討したところ、小児間での感染は2020年2月1日〜21年6月30日の28.2%から21年7月1日〜8月17日には38.7%と増加したが、有意差は認められなかった(P=0.36、図2)。

図2. 保育所における感染源の内訳

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今後も疫学的変化を継続して調査、評価していく

 日本小児科学会は、2021年7月以降、幼稚園・保育所を感染源とした小児COVID-19症例の割合が増加した理由について、今回の解析結果だけでは十分に評価ができない。有意差は認められなかったものの、小児間の感染が漸増していることから、今後も疫学的変化を継続して評価する必要があるととした。その上で、「国内におけるSARS-CoV-2検査陽性者に20歳未満が占める割合が漸増している。2021年春以降、インド型変異(デルタ)株の割合が増加していることから、今後も感染源の変化を含む小児COVID-19症例の疫学調査を継続していく」と述べている。

長谷川愛子