供給不足に陥っていた活性型ビタミンD3製剤アルファカルシドールについて、日本骨代謝学会、日本内分泌外科学会、日本小児内分泌学会、日本内分泌学会が合同で昨日(8月31日)、製造規模最大の共和薬品工業が今年(2021年)9 月中旬にも出荷を再開する予定であると発表。しかしながら処方に支障がある場合は、ソフトカプセルへの剤形変更などの検討を促している。

10月中には前年比6割以上に回復か

 アルファカルシドールは、後発品メーカーの共和薬品工業が国内最大のシェアを持っている。しかし、承認書の記載と製造実態に齟齬が確認されたため、アルファカルシドールの出荷を一時停止したと同社が発表。その影響を受け他の後発品メーカーにも出荷調整が波及していった。

 一方、先発品メーカーの中外製薬、帝人ファーマはアルファカルシドールの製造規模を縮小していたため、想定を上回る注文が考えられることから、出荷調整を行う事態に至った。

 今回、4学会はアルファカルシドールの出荷が9月中旬に再開される予定で、出荷量は9月中に前年比で約50%、10月中には60%以上に回復する見通しであると報告した。

 ただし現時点で、アルファカルシドールの供給に支障がある場合の措置として、①錠剤から供給に支障がないソフトカプセルへの剤形変更または規格変更②現存薬の有効活用③長期処方の回避④成分としてのアルファカルシドールが入手困難な場合はカルシトリオールへの変更-などの検討を提示した。

薬効動態異なる代替薬に高カルシウム血症のリスク

 アルファカルシドールが最も多く処方されているのは骨粗鬆症である。日本骨代謝学会および日本骨粗鬆症学会は7月19日、供給が回復するまでの暫定措置として7項目の提言を示した(関連記事「ビタミンD3製剤の供給不足に学会が提言」)。

 一方、副甲状腺機能低下症、くる病・骨軟化症などは患者数が少ないものの治療上、同薬の必要性が高い。これらの患者へのアルファカルシドールの代替薬としてカルシトリオール、ファレカルシトリオールがある。しかし両薬はシェアが小さい上に、アルファカルシドールとは薬効動態が異なり、高カルシウム血症を来す恐れがある。そのため受診回数を増やし、慎重なモニタリングを行った上での用量調整が必要だ。

厚労省、メーカーには厳しい規制も

 後発品メーカーによる医薬品の供給不足の事例は、アルファカルシドールだけではない。

 そもそも小林化工、日医工の法令違反に対して業務停止処分などの行政処分が行われたことに端を発し、そのしわ寄せが全体に及んでいる。

 厚生労働省は7月19日、日本製薬団体連合会会長宛に後発品メーカーが欠品を生じさせた際の通達を出している。それによると、2016年12月以降に薬価収載された後発品のうち、収載から5年以内に欠品、出荷調整、回収などで供給不足を招いたメーカーが薬価収載希望書を提出する際には、念書を求めることがあるという。さらに、薬価収載日から5年以内の後発品について、念書を提出してから新たに供給不足を生じさせた場合は、次回から2回続けて薬価収載を見送るとしている。

 後発品の安定供給をめぐり、メーカーには厳しい対応が迫られている。

(田上玲子)