新型コロナウイルス感染の収束が見通せず、内閣支持率も低迷する中、衆院選の行方に危機感を強める与党内では大規模な財政出動を求める声が強まっている。政府・与党は衆院選後、年内の臨時国会での補正予算成立を視野に、経済対策を含めた成長戦略の取りまとめを急ぐ。
 政府は2021年度予算にコロナ対策予備費として5兆円を計上。先週、3回目の接種を想定したワクチン確保などのため約1.4兆円の追加支出を決め、残額はほぼ半分に目減りした。野党は予備費を積み増すため、自民党総裁選前に臨時国会を開くよう求めたが、政府・与党は今週、「予備費は12月まで持つ」として拒否した。
 ただ、昨年末に編成した20年度第3次補正予算のように、補正予算を翌年度の当初予算とセットにして「15カ月予算」と位置付け、年明けの通常国会での成立を待つとなると、補正予算の執行は3月ごろからとなる。自民党内でも「必要なタイミングで十分な対策が打てなくなる」との懸念も出ている。
 20年度予算は、3度の補正編成で175兆円規模に膨らみ、新規国債発行額も空前の112兆円に達した。21年度予算も当初ベースで過去最大の106兆円を計上し、借金頼みの構図が続いている。
 一方で、時短要請に応じた飲食店に対する協力金などコロナ対策事業は執行の遅れも目立ち、20年度予算のうち、30兆円超が21年度に繰り越された。自民党内には21年度の補正予算について、30兆円規模の財政出動を求める声もあるが、「規模ありき」で予算を積み増すのではなく、必要な支援を迅速に、効果的に実施することが求められている。 (C)時事通信社