【ロンドン時事】英イングランドの公立学校が9月に入り、夏休みを終えて次々再開されている。イングランドでは7月に新型コロナウイルス規制がほぼ全面解除され「普通の生活」におおかた戻ったが、子供たちが一斉に学校に戻ることで感染が再拡大する懸念があり、当局や現場は警戒を強めている。
 政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)は先週、学校再開による感染への影響に関する報告書を公表した。この中で「9月末までに校内で高い水準の流行が起きる可能性が大いにある」と警告。学校が感染を拡散するのか、地域の感染状況を反映するだけなのか判断は難しいと述べながらも「(感染拡大の)事態に備えることが賢明だ」と政府に勧告した。
 北部スコットランドでは8月半ばに新学期が始まったが、その後感染が急増した。新規感染の3分の1は19歳未満の若者や子供という。
 こうした状況を受け、短期ロックダウン(都市封鎖)や社会的距離の確保など規制を再導入すべきか議論が活発化。スコットランド自治政府のスタージョン首相は今月1日、感染抑止のためとして、大規模イベントやナイトクラブへの入場にワクチン証明書の提示を求める計画を明らかにした。
 人口の大半を占めるイングランドでも1日、3月初旬以降で初めて1日の死者が200人を超え、新たな感染も増加傾向にある。学校再開後にスコットランドと同様の事態が起きることに懸念は強い。
 一方でワクチン接種は進んでいる。8月中旬からは16~17歳に接種対象を拡大し、政府によると、今月1日時点で16、17歳と全成人(18歳以上)の8割近くが2回の接種を完了した。政府は学校での感染阻止を念頭に、12~15歳も対象に加えるか検討を進めており、近く方針が発表される見込み。 (C)時事通信社