新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ワクチン接種に新たな動きが出ている。感染予防効果が持続するとの海外での報告を受け、政府は2回接種後に3回目を追加する「ブースター接種」の検討を進める。一方、2回の接種に異なる製品を組み合わせる「異種混合(交差)接種」については、有効性や安全性に不明な点もある。
 新型コロナワクチンは接種後に体内の中和抗体量が増え、免疫機能が強化される。ただ、2回接種では数カ月後に抗体量が減り、感染予防効果は衰えるとされる。感染力が強いデルタ株流行もあり、2回接種後に感染する「ブレークスルー感染」が日本でも相次ぐ。一方、ブースター接種を始めたイスラエルでは、3回目接種の感染予防効果が86%だったとの報告もあり、政府は実施に向けた調整を進める。
 北里大の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)は、ブースター接種の有効性を認めた上で「現在はワクチン未接種の若い世代に感染が広がっている」と指摘。「流行が続けば感染力がさらに強い新たな変異株が生まれる危険がある。希望者への2回接種を終えるのが最優先だ」と強調する。
 異種混合接種は、河野太郎規制改革担当相が8月下旬に是非を検討していると言及した。英オックスフォード大の調査では、米ファイザー製と英アストラゼネカ製のワクチンをどの順番で接種しても、アストラ製を2回接種する場合より強い免疫反応が得られた。アストラ製を先に接種した方が、より高い免疫効果があったという。
 中山氏は「ワクチンは同一製品を2回接種する前提で承認された。変更するなら、国内で臨床試験(治験)を行い、抗体持続量や副反応の頻度などを確認する必要がある」と慎重な見方を示す。
 導入されれば自治体の接種システムをめぐる混乱も懸念される。中山氏は「ワクチンの供給予定に問題が出たのか分からないが、実施するなら政府は理由をきちんと説明しなければならない」と話している。 (C)時事通信社