米疾病対策センター(CDC)が、特定の免疫不全患者は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの3回目(追加)接種を受けるべきとの推奨を発表したことを受け、米国リウマチ学会(ACR)は『リウマチ性疾患および筋骨格系疾患の患者向けSARS-CoV-2ワクチン臨床ガイダンス』を改訂。「大多数の免疫不全患者はmRNAワクチンの追加接種を受けるべき。ただし、リウマチ性疾患に対する治療薬投与のタイミングには考慮を要する」としている。

抗CD20モノクローナル抗体薬使用者ではタイミングに注意

 ACRの臨床ガイドライン・タスクフォースは「これまでに発表されたエビデンスに基づくと、ほとんどのリウマチ性疾患患者に対するSARS-CoV-2ワクチンの便益は害を上回っている」と説明している。改訂ガイダンスには、3回目のワクチン接種と免疫調整薬投与のタイミングについて、ワクチン未接種者へのmRNAワクチン推奨などが含まれる。

 主な推奨事項は以下の通り。

●ヒドロキシクロロキン以外の免疫抑制薬または免疫調整薬による治療を受けている患者には、ファイザー製(12歳以上)またはモデルナ製(18歳以上)のmRNAワクチンの追加接種が推奨される。追加接種は2回接種を受けたmRNAワクチンと同一にすべきだが、それが不可能な場合は別のmRNAワクチンによる代替使用も許可される

●医療従事者は、疾患活動性が許容範囲であれば追加接種から28日後以降に免疫抑制薬または免疫調整薬を服用するよう患者に伝える必要がある。ただし、ほとんどの生物学的製剤、グルココルチコイド、抗サイトカイン療法などは例外となる。腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬やインターロイキン(IL)-17、12/23、23、1R、6Rの受容体拮抗薬など、抗サイトカイン薬がワクチンの有効性を損なうか否かについてはコンセンサスが得られておらず、それらの一時的な中断が正当かどうかは不明のため、追加のエビデンスが得られるまで、これらの療法を一時的に保留するか継続するかについての推奨は行わない

●リツキシマブなどの抗CD20モノクローナル抗体薬を使用している患者は、SARS-CoV-2ワクチンの追加接種を受ける前にリウマチ専門医と最適なタイミングについて相談する必要がある。可能ならワクチン追加接種とリツキシマブ投与のタイミングを図るためにCD19B細胞を測定すべきだが、できない場合には、次回のリツキシマブ投与予定の2〜3週間前に追加接種を受けることを推奨する。例えば、6カ月ごとにリツキシマブ投与を受けている患者には、5〜5.5カ月時点で接種する

mRNAワクチン接種を推奨

 ACRタスクフォースによると、既にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のSARS-CoV-2ワクチン(ウイルスベクターワクチン)の単回接種を受けた患者に対するmRNAワクチンの追加投与については安全性が不明なため、推奨に関してのコンセンサスは得られなかったという。また、これまでのガイダンスではワクチン未接種のリウマチ性疾患患者に対して特定の種類のワクチンを優先的に接種するよう推奨はしていなかったが、今回の改訂では単回投与のJ&J製よりmRNAワクチン接種を推奨することとなった。

 ただし、「単回投与のワクチン接種を受けた患者においてもmRNAワクチンの追加接種が承認され、推奨された場合には再検討する可能性がある」としている。

(慶野 永)