【ニューヨーク時事】米小売業界が書き入れ時の年末商戦を見据え、従業員確保に躍起になっている。新型コロナウイルス禍に伴う人手不足が続く中、各社は賃上げなどを提示して労働者を囲い込む考えだ。ただ資金余力に乏しい小規模店は、十分な条件を出せずに人材難に悩まされ続ける恐れもある。
 小売り大手ウォルマートは今週、配送センターなどでの物流能力強化に向け、2万人の雇用を目的とした採用イベントを開催する予定。また、国内の従業員56万人超を対象に今月賃上げを実施する。従業員のキャリアアップも支援し、提携大学での学費と書籍代を全額負担する制度も導入した。
 ドラッグストア大手ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは来年11月までに初任給を時給15ドル(約1650円)に引き上げる方針で、今年10月から段階的に実施する計画だ。9月6日までに最大5万人を雇うと発表していた小売り大手ダラー・ゼネラルも、トラック運転手に契約金5000ドルを支給すると明らかにした。
 米国では今月に入り、新年度からの学校再開で子育て世代に時間の余裕が生じる一方、政府のコロナ対策としての失業手当上乗せ措置が打ち切られる。小売り各社は働き口を探す人々の増加を当て込むが、労働者の「売り手市場」を背景とした囲い込み競争は当面続きそうだ。 (C)時事通信社