衆院議員秋元司被告(49)の汚職事件を受け、政府はカジノを含む統合型リゾート(IR)整備の基本方針に、公務員と事業者の接触を制限するルールを盛り込むなどの対応を迫られた。一方、有力なIR整備候補地だった横浜市では反対派の市長が誕生。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた事業者撤退の動きもあり、計画は不透明さを増している。
 IRはカジノを中核とし、ホテルや国際会議場といったさまざまな施設が一体的に整備される。第2次安倍政権が「成長戦略の柱」と位置付け、秋元議員も所属していた超党派議連が実現に向けて動いてきた。
 政府は当初、2020年1月に整備地域を選ぶ際の基本方針を決める予定だったが、直前に秋元議員が逮捕されて先送りに。同年末に決定した修正版には国や自治体の職員が事業者らと面談する際は複数人で対応することや面談記録を残すといった不正防止策が盛り込まれ、自治体からの誘致申請期間は9カ月延期された。
 政府は20年代後半のIR開業を目指し、国内最大3カ所で整備を認める方針。ただ、8月の横浜市長選では誘致撤回を公約に掲げた新人の山中竹春氏が、誘致を推進してきた現職らを破った。山中氏は就任後、「撤回に関する手続きを速やかに進める」として、事業者を選定する会議を中止した。
 コロナの影響も大きい。日本への進出を断念する海外事業者が出たほか、訪日観光客数が開業までにどの程度回復するかは不明で、政府や自治体が期待するほどの経済効果が得られるかは未知数だ。 (C)時事通信社