新型コロナウイルスワクチン担当の河野太郎規制改革担当相が自民党総裁選に出馬した場合、重要公務との両立が可能なのか、与野党から懸念の声が上がっている。河野氏は公務への影響を極力回避する考えだが、ワクチン行政が停滞すれば批判は免れない。自民党内では、担当の兼務を解消せざるを得ないとの指摘もある。
 「影響を出さないよう、しっかりやっていきたい」。河野氏は6日、ワクチン対応について記者団にこう強調した。この日は河野氏が急きょ、記者を集めて米ファイザー製ワクチンを前倒しで確保できる見通しとなったと説明。公務を重視する姿勢をアピールした。
 菅義偉首相から発信力を買われ、1月にワクチン接種の総合調整役に抜てきされて以降、河野氏は米製薬会社幹部らと電話やメールで頻繁にやりとりし、日本へのワクチン供給を主導。「1日100万回接種」の政府目標実現を後押しするなど全力投球してきた。同氏周辺は「河野氏だからここまでできた」と実績を強調する。
 ただ、国民のワクチン接種はなお道半ば。希望する全国民への2回接種も完了しておらず、国と自治体の連携の在り方も引き続き課題だ。河野氏の負担が軽減しているわけではない。
 一方、総裁選も多大なエネルギーが必要とされる。出馬表明した岸田文雄前政調会長ら候補予定者が選挙戦に専念するのは明らかで、河野氏が対等に戦おうとすれば公務が「足かせ」になりかねない。自民党幹部は「総裁選をやりながらワクチン担当は大変だ」と指摘。担当を続けるのは困難との見方を示した。
 立憲民主党の安住淳国対委員長も6日、河野氏を念頭に「首相はコロナ対策に専念するため(総裁選に出馬せず)辞める。だとすると、コロナ対策をやっている人は(総裁選と)両立できないのではないか」と記者団に語った。
 自民党内には、有力候補として河野氏に注目が集まる現状に懐疑的な見方もある。甘利明税調会長は6日の講演で「首相がたたかれた一番の理由がワクチンの迷走。それで(河野)ワクチン担当相の評価が上がるのはどういう構造か」と冷ややかに語った。 (C)時事通信社