LH-RHアゴニスト製剤リュープロレリン(商品名リュープリン)は前立腺がん、閉経前乳がん、子宮内膜症などの適応を有し、多くの患者に投与されているが、武田薬品工業の光工場(山口県)における不具合により、昨年(2020年)6月より出荷調整が行われている(関連記事「リュープロレリンが出荷調整で欠品の見込み」)。同社は9月6日、供給量のさらなる低下および多くの患者で使用される同薬の22.5mg製剤(24週間隔投与)の製造優先に伴い、3.75mg製剤(4週間隔投与)および11.25mg製剤(12週間隔投与)の供給量の低下が見込まれると発表した。

事態を受け日本泌尿器学会も供給量の低下を周知

 前述のようにリュープロレリンの出荷調整は昨年6月に始まり、翌月には9月からの出荷再開見込みが報じられた(関連記事「リュープロレリン、9月より供給再開か」)。しかし、10月以降も出荷調整は続き〔10月時点で22.5mg製剤(24週間隔投与)は欠品〕、今年(2021年)1月時点でも継続されていた。

 今回、さらなる供給量の低下が見込まれるため、22.5mg製剤(24週間隔投与)の製造を優先することとなり()、3.75mg製剤(4週間隔投与)および11.25mg製剤(12週間隔投与)については、欠品を回避するため代替製品への変更および調整を呼びかけている。

表. 製剤別の供給状況

29225_tab01.jpg

(武田薬品工業リリースを基に編集部作成)

 今回の事態を受け、日本泌尿器学会は9月7日に同薬の出荷調整と同種同効薬の出荷状況を周知。後発薬およびLH-RHアンタゴニスト製剤デガレリクス(商品名ゴナックス、前立腺がん)の出荷調整はなく、LH-RHアゴニスト製剤ゴセレリン(商品名ゾラテックス、前立腺がん、閉経前乳がん)は一時的な市場変化への対応と今後の適正な供給を継続するために、特約店への出荷調整が行われ、現状では通常通り使用できる見込みとしている。

(安部重範)