日本皮膚科学会など6学会および患者団体は本日(9月14日)、9月7日に放送された日本テレビの番組「ザ!世界仰天ニュース」の中で、ステロイドをめぐり科学的に明らかに根拠のない民間療法を好意的に紹介する内容があり、多くの患者や医師に不安と妨害を与えたとして、日本テレビに対し厳重に抗議したと発表した。

恐怖と不安をあおる内容

 当該番組では「ひどい肌荒れがまさかの方法で回復」とする女性の体験談を取り上げ、「ステロイドは本来体内でつくられるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドがつくられなくなった」「再び体内でつくられるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」などといった科学的に明らかに根拠がない内容を"脱ステロイド療法"として放映した。これに対し、同学会および日本アレルギー学会、日本臨床皮膚科医会、日本皮膚免疫アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本小児皮膚科学会、日本アレルギー友の会(患者会)は連名で抗議文を提出し、番組の問題点として以下を指摘した。

・ステロイド外用薬の使用を種類も使用法も区別することなく否定し、治療中の患者に恐怖と不安をあおる内容であった
・"脱ステロイド療法"という用語を用いることで、ステロイド外用薬を使わないことを治療法の1つとして疾患が治るかのように患者に期待を抱かせる内容であった
・ステロイド外用薬を使うことの危険性を把握し、『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(GL)』に沿って診療を行っている医師と患者に不要な不安と妨害を与えるものであった
・番組を視聴した結果、多くの健康被害をもたらす可能性が高い

番組が謝罪文を掲載

 これまでにもスロイド外用薬に関する誤解や誤った報道により"脱ステロイド"と呼ばれる不適切な民間療法が横行し、多くの患者が不利益を被った歴史がある。日本皮膚科学会では、GLを策定し標準治療の普及に努めた結果、ステロイド外用薬に対する誤解や誤った報道が減少した。しかし、「今回またこのような番組が放映され、医療の混乱を来すことは看過できない」とし、同番組を制作・放映した日本テレビに対し、連名で厳重に抗議した。

 なお当該番組は公式サイトで、番組内容で治療中の患者と家族、医師に対し心配および迷惑をかけたとして謝罪文を掲載し、「ステロイド外用薬は有効性と安全性が科学的に立証されている薬剤。病状悪化や合併症のリスクがあるため、患者自らの判断で急に使用を中止することは絶対に行わず、治療は医師の指導に従う」としている。日本皮膚科学会などの公式サイトを参考にするよう促し、「再発防止に努める」と表明している。

(慶野 永)