日本集中治療医学会はこのほど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)小児患者の重症・中等症例の発生状況を調査した中間集計結果(簡易版、詳細版)をまとめ、日本小児科学会会員向けに公開した。小児でも呼吸窮迫症状がないにもかかわらず低酸素血症が進行する例が報告され、迅速な入院・転院の判断、酸素投与を要する事例もあるとして、各地域の小児科専門医に対し小児集中治療室(PICU)の専門医との医療連携体制の早急な構築を要請する文書を昨日(9月14日)、同学会の公式サイトに掲載した。

重症・中等症例増加も、死亡例の報告なし

 日本集中治療医学会の小児集中治療委員会は、COVID-19に関連した小児の重症・中等症例の発生状況を把握するため、小児集中治療連絡協議会と日本小児科学会に対し協力を要請。中間集計結果と症例に関する議論を行った。

 その結果、同委員会は「COVID-19小児患者では重症・中等症例が増加しているものの、死亡例は確認されていない。ただし、小児のCOVID-19肺炎例で呼吸窮迫症状がないにもかかわらず低酸素血症だけが進行するhappy hypoxemiaが複数報告された」とし、そうした事例では「酸素化能を慎重に監視し、客観的酸素化指標に基づく入院・転送判断が求められる」と指摘。小児科専門医と小児集中治療専門医間の連携促進が必要として、各地域における医療連携の促進や医療提供体制の整備が必要と判断した。

PICUがない、専門医不在・不足の地域ではICU専門医と連携を

 また、酸素投与開始時には「PICUの専門医などと連携を取り、高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)がPICU内の陰圧個室などの適切な場所で開始できるよう、各地域で医療連携を早急に構築してほしい」と要請している。PICUがない場合やPICU専門医がいない、または不足している地域においては、集中治療室(ICU)専門医との医療連携を早急に構築するよう呼びかけている。

 一方、対外式膜型人工肺(ECMO)管理に対応するECMOnet専用回線での治療相談では、小児例についても24時間対応しており、PICU専門医によるサイトビジット体制とECMO搬送体制も整備しているという。また、災害時小児周産期リエゾンによる各都道府県搬送調整本部との連携も必要となるため、各地域で連携体制を構築するよう協力を求めた。

(小沼紀子)