【ニューヨーク時事】世界銀行の西尾昭彦副総裁は15日、ニューヨークやロサンゼルスの会場をつないで開かれた時事トップセミナー(米国時事通信社主催)でオンライン講演した。新型コロナウイルスの感染拡大によって「貧困問題が拡大している。今のままでは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成は極めて難しい」と述べ、先進国などが率先して最貧国への支援を充実させるよう訴えた。
 西尾氏は、貧困国支援を担う国際開発協会(IDA)などを通じた世銀の途上国向け融資政策を統括。講演では、新型コロナ新規感染者数の増加が続き、ワクチンの接種率も低い最貧国の窮状を説明した上で、「先進国は経済がV字回復しているが、最貧国は2022年も縮小が続く。新型コロナの打撃から立ち直るには非常に長い時間がかかる」と強調した。
 特に影響が深刻なのは、母親と乳幼児の健康維持を図る母子保健という。西尾氏は「最近10年間、(最貧国で)順調な成果があったが、そうした進歩は(新型コロナで)帳消しになった」と語り、迅速な対応を求めた。 (C)時事通信社