菅義偉首相は16日、就任から1年を迎えた。首相官邸で記者団に「最後の一日まで『国民のために働く内閣』として全力で働きたい」と強調。新首相が選出される見通しの10月4日まで、残り2週間余りの任期中、引き続き新型コロナウイルス対策に全力を挙げる考えだ。
 首相は「新型コロナ対策に明け暮れた1年だった」と振り返った。その上で「全国的に感染者数は減少傾向にあるが、油断することなく現場の声に耳を傾け、医療体制を確保し、ワクチン接種を推進していく」と訴えた。
 退陣を控え、首相は新型コロナ関連の現地視察を精力的に続けている。16日は自宅療養者の一時収容を目的に近く運用が始まる東京都内の「酸素・医療提供ステーション」を訪問。これに先立ち、10日はオンライン授業を行う小学校、15日は自宅療養者の訪問診療を行う企業に足を運んだ。
 一連の視察について、政府高官は「首相は『コロナ対策に専念する』と言った。それを実行している」と解説。官邸幹部も「自分の目で確認し、安心して次の人にバトンを渡したいのだろう」との見方を示した。
 一方、新型コロナ対策をめぐる説明不足との指摘に対し、首相は「さまざまな機会を通じ、できるだけ丁寧かつ真摯(しんし)に説明するよう努めてきた」と反論。9日の記者会見で質問できなかった報道機関の質問に文書で回答した。 (C)時事通信社