自民党総裁選に出馬した4候補による日本記者クラブ主催の討論会が18日、東京都内で開かれ、社会保障や原発政策、党改革をめぐり論戦が交わされた。河野太郎規制改革担当相(58)は、全額税方式の最低保障年金創設や、緩やかな「脱原発」を提唱。岸田文雄前政調会長(64)が自民党改革としてガバナンスコード(統治指針)の作成を公約したのに対し、野田聖子幹事長代行(61)は派閥解消を訴えた。高市早苗前総務相(60)は、新型コロナウイルス感染者の病床確保に向けた国の権限強化を唱えた。
 社会保障に関し河野氏は、低所得者が保険料を払えなくなっている実態を踏まえ、「最低保障(年金)は税金でやらなければ成り立たない」と主張。これに対し岸田氏は、全額税方式では消費税増税が避けられないなどとして実現性を疑問視。自身は10年程度は消費税率を引き上げないとして、河野氏との違いをアピールした。高市氏も、全額税方式は「制度的に無理」と批判した。
 党役員の任期制限を掲げる岸田氏は、「党の権限が格段に高まったのに、運営改革はほとんど進んでこなかった」と指摘し、ガバナンスコード作成委員会を設ける考えを表明。野田氏はそれでは不十分との立場から「将来的には派閥解消で党改革が進む」と強調した。
 討論会では、立候補に当たり「脱原発」の持論が曖昧になったとの指摘がある河野氏のエネルギー政策にも議論が集中した。河野氏は原子力発電所の当面の再稼働を容認しつつ、「耐用年数が来たものを廃炉にし、緩やかに原子力から離脱していく」と、漸進的な「脱原発」を提唱。野田氏は医療現場への影響を指摘し、「(電力の)安定供給をきちんと担保する」と訴えた。
 討論後の質疑で、河野氏は菅義偉首相の新型コロナ対策について「丁寧な説明が欠けていた」と指摘。岸田氏は「楽観的見通し」も問題だったとし、「最悪の事態を想定しないと、国民から後手後手に見えてしまう」と語った。
 森友学園問題に関し、河野氏は「心の痛みに向き合う」と、自殺した財務省近畿財務局職員の遺族と面会する可能性に言及。野田氏は「疑われるなら証明しなければならない」と再調査を主張したが、岸田氏は「しっかり説明することが大事」と述べるにとどめた。
 新型コロナ対策では、高市氏が「国や地方自治体が病床確保などを命令する権限も含め法案化したい」と表明。河野氏も「非常時の指揮命令権限は見直さなければいけない」と同調し、岸田氏は「国のより強力な権限は大事だ」と語った。 (C)時事通信社