障害者と接点の少ない日本では、障害者施設の建設に反対する住民が多い―。7カ国・地域の市民を対象にした意識調査で、こんな傾向が浮かび上がった。専門家は「障害者への偏見、不安があっても地域でどう関係性を構築するかが重要だ」と指摘する。
 大阪市立大大学院の野村恭代准教授が7~8月、インターネット上でアンケートを実施。日本を含む7カ国・地域の10~60代の男女計4095人から回答を得た。
 自宅の隣に身体障害者の施設や事業所を建設することに「賛成」と答えたのは、スウェーデンと中国、インドで62~69%だったのに対し、日本は33%で、7カ国・地域の中で最も低かった。
 精神障害者の施設・事業所は、「賛成」はインド61%、米国と英国、スウェーデンが42~45%だが、日本は22%で最低だった。国内の反対理由は「施設や利用者への危険視や不安」が最多で、「治安上の不安」「住環境の悪化」が続いた。
 障害者との関わりについて尋ねたところ、日本では「これまで関わったことはない」が51%に達し、最多。一方、「友人知人に障害者がいる」は13%、「職場に障害者がいる」は7%で、いずれも最も低かった。
 野村准教授は、障害者グループホームなどの建設時に地域住民が反対活動を繰り広げる「施設コンフリクト」の研究が専門。これまでに10を超す地域で問題解消のため仲介に当たった経験を持つ。
 野村准教授は「欧米にも不安を抱える市民はいるが、『障害者が地域で暮らすことは権利』という考え方が浸透している。差別や偏見をなくすのがゴールではなく、不安があってもどうすれば相互に関係性をつくれるかが問われている」と話している。 (C)時事通信社