新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が国民の生活・健康・社会・経済活動に及ぼす影響を明らかにし、科学的根拠に基づいた現実的な社会経済的救済策や健康増進策の立案につながる情報提供を目指す大規模インターネット調査「日本におけるCOVID-19問題による社会・健康格差評価研究(JACSIS)」。同調査により、これまでにワイドショー視聴と恐怖感の関連やワクチン忌避の要因と理由、遠隔医療との関わりなどが報告されている(関連記事「ワイドショーはコロナへの恐怖や不安を招く?」「新型コロナワクチン拒否、その理由は?」「COVID-19禍で遠隔医療に格差拡大か」)。JACSIS研究妊産婦調査分析特別チームは9月15日、妊婦における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種に関する調査結果から、未接種者の9割がワクチン接種を希望していることが明らかになったと報告した。

接種しない理由は胎児への影響が最多

 調査の対象は全国在住の妊婦1,621人で、今年(2021年)7月28日〜8月31日にインターネットを介して実施した。年齢の内訳は25歳未満が72人(4.4%)、25~29歳が505人(31.2%)、30~34歳が629人(38.8%)、35~39歳が340人(21.0%)、40歳以上が75人(4.6%)だった。

 1,621人中217人(13.3%)が既にワクチン接種(1回または2回)を済ませており、未接種の1,404人中579人(41.2%)が「接種したい」、689人(49.1%)が「様子を見て接種したい」と回答、合わせて接種意向を示したのは9割を超えていた。「接種しない」との回答は136人(9.7%)だった。

「接種したい」と回答した579人に理由を聞いた結果(複数回答可、以下同)、「新型コロナウイルス感染への心配」が551人(95.2%)で最も多く、「家族や周りの人に感染させたくない」が534人(92.2%)、「副反応のリスクより感染の重症化が心配」が493人(85.1%)、「接種することが社会にとって必要」が443人(76.5%)と続いた。

「接種しない」と回答した136人の理由については、「胎児への影響が心配」が120人(88.2%)で最も多く、「副反応が心配」が113人(83.1%)、「ワクチンの成分が信用できない」が111人(81.6%)、「授乳への影響が心配」が94人(69.1%)だった。

「様子を見て接種したい」と回答した689人に対して理由を質問したところ、「胎児への影響が心配」が589人(85.5%)が最も多く、「副反応が心配」が585人(84.9%)、「授乳への影響が心配」が477人(69.2%)と様子見の理由が上位を占めたものの、「家族や周りの人に感染させたくない〔409人(59.3%)〕」、「新型コロナウイルス感染への心配〔343人(49.8%)〕」と、接種したい理由が続いた。

 詳細については論文などで報告する予定であるという。

(安部重範)