【ニューヨーク時事】バイデン米大統領は21日午前(日本時間同日夜)、国連総会で就任後初の一般討論演説に臨み、同盟国や友好国と連携し外交を重視する政権の基本姿勢を強調した。アフガニスタン駐留米軍撤収をめぐる混乱で米外交への信頼が揺らぐ中、気候変動や新型コロナウイルス対策など世界規模の問題で指導力を発揮する考えを表明した。
 中国やロシアとの大国間競争を念頭に「米国は活発な競争を行う」と述べる一方、「新冷戦は求めない」と主張。武力ではなく外交を通じた問題解決を優先させる方針を明言した。
 また、「(就任後)8カ月間、同盟の再構築を優先してきた」と語り、トランプ前大統領が唱えた「米国第一」からの転換を印象付けた。その一環として、日米、オーストラリア、インド4カ国の枠組み(クアッド)の推進にも言及し、健康安全保障や最新技術などの諸課題に連携して対応する必要性を訴えた。
 米国は、欧州の同盟国の反対を押し切ってアフガン駐留米軍の早期撤収を強行。結果的にイスラム主義組織タリバンの復権を許した単独行動的な姿勢を懸念する声が噴出した。これに対しバイデン氏は「20年間のアフガン戦争を終結させた」と述べ、決断を正当化した。
 北朝鮮核問題については、「朝鮮半島の完全な非核化」に向けた本格的かつ持続的な外交を推進すると強調。朝鮮半島の安定性を高める具体的な進展を求めていくと語った。
 人権問題を重視するバイデン氏は、中国・新疆ウイグル自治区でのウイグル族弾圧などに言及し、少数民族弾圧を非難するよう国際社会に呼び掛けた。ただ、演説を通じて中国を名指しするのは避けた。
 気候変動対策では、先進国が年間1000億ドル(約10兆9000億円)の資金支援を行う目標の達成に向け、米国の拠出を倍増させるために議会と協力すると訴えた。 (C)時事通信社