自民党総裁選では、新型コロナウイルス対策をどう進めていくのかが争点の一つだ。4候補ともワクチン接種や医療提供体制の確保を重視する姿勢を示すが、外出禁止などロックダウン(都市封鎖)を可能にする法整備の検討をめぐっては温度差もある。一方、感染収束後に政府肝煎りの経済下支え策「Go To」キャンペーンを再開する方針では足並みをそろえた。
 厳しい私権制限措置を伴うロックダウンは欧州などで実施しているが、菅義偉首相は「日本になじまない」として、一貫して慎重だ。これに対し、必要性を訴えるのは河野太郎規制改革担当相、高市早苗前総務相。河野氏は「将来の最悪に備えたロックダウンの議論は必要だ」と主張し、高市氏も「備えのための法律を作っておく必要はある」と指摘した。
 岸田文雄前政調会長は、「日本型の人流抑制の在り方をしっかり考えていかなければいけない」と述べ、法改正には前向き。ただ、「人流抑制への協力に見合うだけの経済対策を用意することがまず優先だ」とも語った。
 対照的なのが野田聖子幹事長代行。ロックダウンは「(必要)ない」と明言。緊急事態宣言に触れ「(国民が)自発的にロックダウンした」と述べ、従来の対策で対応可能との立場だ。
 一方、感染拡大で昨年末に一斉停止した「Go To トラベル」事業などについて、4候補は感染収束後に再開を目指す姿勢でほぼ一致している。岸田氏は、ワクチン接種証明などを活用し、新たな観光振興策「Go To2.0」の実施を提唱。「(観光)業界の皆さん方にも喜んでもらえるよう経済を回していく」と訴える。
 野田氏もワクチン接種や経口治療薬の普及などを見据え、「待つのではなく、徐々に経済を回していかないといけない」と強調。高市氏は治療薬普及などを条件に「地域内、近場の旅行を始めていってもいい」と指摘した。河野氏は「感染が落ち着くことが大前提だ」と語った。
 新型コロナ対策では、河野氏は21日の記者会見で、3回目のワクチン接種では自治体が日時を指定して接種券を順次送付する方法を検討する方針を表明。自らの政策パンフレットには3回目接種を掲げており、菅政権でワクチン接種の調整役を担ってきたことをアピールした格好だ。
 岸田氏は、感染対策を強化するため、司令塔機能を有する「健康危機管理庁(仮称)」の創設を主張。「国民の協力を得る納得感ある説明」を訴え、説明不足が目立った菅政権との違いを示した。
 高市氏は国産ワクチン・治療薬の開発を目指すほか、野田氏は軽症者向けの臨時医療施設の整備を進める考えを示している。 (C)時事通信社