政府が菅義偉首相の後任を選出する臨時国会を10月4日に召集すると決定し、国会に通知したことを受け、立憲民主党など野党が22日、反発を強めた。野党側は憲法の規定に基づき新型コロナウイルス対策などを議論する国会の早期召集を求めてきた。これには事実上のゼロ回答だが、野党の要求に応じた召集だと主張するかのような文書を政府が出したことが火に油を注いだ形。一連の経過は政権の憲法軽視の姿勢を浮き彫りにした。
 文書は加藤勝信官房長官名で「(野党から)首相宛て臨時国会の召集要求書の提出があったが、政府は来る10月4日に臨時国会を召集することを決定した」とする内容。21日付で立民、共産など野党4党に送付された。
 野党4党は7月16日、憲法53条に基づき臨時国会の速やかな召集を求めた。同条は、衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば「内閣は召集を決定しなければならない」と規定する。ただ、期限を設けていないこともあり、政府・与党はたなざらしにしてきた。
 同様のことは安倍政権でも起きており、9年近くに及ぶ「安倍・菅政治」を象徴する一つだとするのが野党の立場だ。
 今回の臨時国会は野党が要求した日から起算すると80日後に召集することになる。自民党総裁選の結果を受け、召集日に衆参両院本会議で首相指名選挙を実施する予定だ。
 加藤長官名の文書に対し、野党側は「強弁」だと反発した。立民の安住淳国対委員長は22日、記者団に「政府・与党のおごりだ」と強調。自民党の森山裕国対委員長に会い、「首相指名の臨時国会を求めたのではない」と抗議した。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「ずっとサボタージュしてきた。強く非難されなければならない」と指弾した。
 一方の加藤氏は22日の会見で「通知には召集の目的は特段記載していない」と説明。「臨時国会で何をどのように審議するか、議事は国会で決めることになっている」として、「すり替え」ではないとの認識を示した。 (C)時事通信社