体外受精させた受精卵の染色体の数を全て調べ問題のないものを子宮に戻す「着床前検査」について、日本産科婦人科学会は23日、約4300人が対象の大規模な臨床研究の結果、流産率を低下させる可能性があるとの中間報告を公表した。同日、東京都内で開いたシンポジウムで明らかにした。
 臨床研究は、体外受精が連続2回以上失敗したか、流産を2回以上経験するなどした30代~50代の女性4348人を対象に実施。体外受精を行い、受精卵の染色体の本数の異常を検査した。
 4348人のうち解析が終わった延べ6821人の分析結果が報告された。異常のない受精卵が得られ子宮に移植した人の場合、妊娠率は約66.2%、流産率は約9.9%だった。これらは年齢による大きな差はなかった。通常の体外受精では流産率は2~3割とされており、検査により流産率が下がる可能性があるとの結果が出た。
 一方で、解析が終わった人のうち、63.4%は異常のない受精卵を得られず移植に進めなかった。これは、海外での研究や、同学会が以前に約80人を対象にした小規模研究の結果とほぼ同様の傾向だったという。
 同学会は10月にシンポジウムを再度開き、着床前検査の今後の進め方などを議論する。 (C)時事通信社