米国で承認されている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン3種〔モデルナ製、ファイザー製、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製〕の有効性の違いが、米疾病対策センター(CDC)のMMWR Morb Mortal Wkly Rep2021年9月17日オンライン版)に報告された。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院の予防効果を検証したもので、モデルナ製が93%、ファイザー製が88%、J&J製が71%と、モデルナ製で最も高かった。

3,689人対象の症例対照研究

 CDCは、2021年3月11日〜8月15日に米国の医療機関21施設に入院した18歳以上の3,689人を対象に症例対照研究を実施。米国で承認済みのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン2種(モデルナ製、ファイザー製)と1回接種タイプのアデノウイルスベクターワクチン(J&J製)の計3種について、COVID-19による入院の予防効果を検証した。

 その上で、3施設で登録した健康人100人を対象に、3種のワクチン接種完了から2〜6週後のSARS-CoV-2に対する血清抗体価〔抗スパイク蛋白質免疫グロブリン(Ig)Gおよび抗受容体結合ドメイン(RBD)IgG〕について、モデルナ製、ファイザー製、J&J製を比較した。

ファイザー製は接種完了後120日以降に効果が減弱

 解析の結果、調査期間中にワクチン接種を完了したのは1,327人だった(モデルナ製476人、ファイザー製738人、J&J製113人)。COVID-19による入院の予防効果は、mRNAワクチンではファイザー製の88%(95%CI 85〜91%)に対し、モデルナ製では93%(同91〜95%)と有意に高かった(P=0.011)。J&J製は71%で両mRNAワクチンより低かった(95%CI 56〜81%)。

 さらに、調査期間をワクチン接種完了後14〜120日と120日以降に層別化して検討したところ、モデルナ製の予防効果は14〜120日で93%(95%CI 90〜95%)、120日以降で92%(同87〜96%)と長期にわたり維持されていた一方、ファイザー製はそれぞれ91%(同88〜93%)、77%(同67〜84%)と、継時的に有意な減弱が認められた(P<0.001)。J&J製は、ワクチン接種完了後28日以降で68%(95%CI 49〜80%)だった。

 ワクチン接種完了後の抗体価について、抗RBD IgG価中央値はモデルナ製が4,333BAU/mL〔四分位範囲(IQR)3,134〜7,197BAU/mL、幾何平均4,274BAU/mL、95%CI 3,393〜5,384BAU/mL)と、ファイザー製の3,217BAU/mL(同2,048〜4,668BAU/mL、2,950BAU/mL、2,325〜3,742BAU/mL)、J&J製の57BAU/mL(同26〜94BAU/mL、51BAU/mL、30〜90BAU/mL)に比べ有意に高かった(P<0.001)。抗スパイク蛋白質IgG価についてもモデルナ製が最も高かったが、有意差はなかった()。

図. ワクチン接種完了から2〜6週後の抗体価

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MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2021年9月17日オンライン版)

 以上の結果を踏まえ、CDCの研究チームは「2回接種のモデルナ製およびファイザー製mRNAワクチンが、1回接種のJ&J製アデノウイルスベクターワクチンよりも入院予防効果があることが示唆された」と指摘。ファイザー製の有効性が接種完了後120日以降に減弱していた理由については、モデルナ製との間にある①mRNAの含有量②投与間隔③各群の特徴―の相違を挙げている。

(平山茂樹)