新型コロナウイルスに感染した人に対し、厚生労働省は未感染者と同様にワクチンを2回接種するよう求めている。海外では感染者への接種を1回とする国もあるが、厚労省は接種回数の削減については「知見が不十分」との見解だ。
 新型コロナから回復すると、再感染を防ぐ中和抗体が体内にできる一方、免疫の持続期間など不明な点も多い。厚労省専門部会は海外の最新データなどを基に、既に感染した人にも接種が必要か議論を重ねてきた。
 米ケンタッキー州の住民を対象とした研究では、2020年5~6月に感染し、1年後に再び陽性が判明した246人と、再感染しなかった492人の接種状況を調査。その結果、未接種者は接種を済ませた人に比べて再感染のリスクが2.34倍高いことが分かった。
 カナダや米国は感染者も2回接種を基本とするが、ドイツやフランスは1回を推奨。接種の時期も異なり、世界保健機関(WHO)や米国は回復後すぐに打てるとするが、ドイツは「有症状の場合は感染後6カ月」、フランスは「陽性確認から2カ月以上」と間隔を空けている。
 こうした状況を踏まえ、厚労省は「1回接種を推奨するには科学的知見が十分でない」と指摘。2回接種を勧めるとともに、WHOや米国と同様、回復した時点でワクチンを打てるとした。
 重症化を防ぐ「抗体カクテル療法」を受けた人はどうか。同療法に用いる「ロナプリーブ」を販売する中外製薬によると、米国では治療から90日以上空けてワクチンを接種するよう推奨しているという。
 厚労省は接種のタイミングについて、米国を参考に「治療から90日以降」を推奨。その上で、治療内容を覚えていない場合や早い接種を望む人は90日より前でも接種可能としている。 (C)時事通信社