新型コロナウイルスの感染状況が改善したとして、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が、期限の30日で全面解除される。ただ、海外では行動制限緩和後の「リバウンド(感染再拡大)」が後を絶たず、専門家は「冬には第6波の襲来も懸念される。警戒と対策を続けるべきだ」と訴える。
 厚生労働省の専門家組織は27日、感染者の急減が続き、重症者の減少や医療提供体制の改善が見られるとの見解を公表した。一方で、座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は記者会見で「安心感から人と人の接触が増えると感染拡大につながる」として気の緩みを警戒するとともに、マスク着用や3密回避などの徹底を改めて呼び掛けた。
 感染症に詳しい、けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は「現在のワクチンは接種から半年ほどたつと感染予防効果が弱まる。接種が早期に始まった英国や米国では感染者が激減したが、行動制限の緩和もあり、急激なリバウンドが起きている」と分析。「接種時期から考えると、日本では12月ごろに第6波が始まり、来年1~2月にピークを迎える恐れがある」と警鐘を鳴らす。
 菅谷氏は「ワクチンの効果もあり、あと1、2カ月は感染状況が穏やかなはず。国は今のうちに高齢者らへの3回目接種を準備し、病床逼迫(ひっぱく)が再発しないよう医療提供体制を拡充する必要がある」と強調した。
 さらに、今冬は昨季流行しなかったインフルエンザにも警戒が必要と指摘。「免疫がない人が多く、重症化しやすい高齢者や子どもは特に危険だ。新型コロナ、インフル両方の感染防止に向け、行動制限緩和後もマスク着用や手指消毒などの徹底を続けることが非常に重要だ」と話した。 (C)時事通信社