【サンパウロ時事】経済破綻にあえぐ南米最貧国ベネズエラで、日々の食べ物に事欠く極貧層の割合が2021年に国民の76.6%に達したことが、カトリカ・アンドレス・ベジョ大学(UCAB)の実施した調査で分かった。貧困層(極貧層を含む)は94.5%で、いずれも過去最悪となった。
 調査は9月29日に発表。極貧率は直近の19~20年の数値から8.9ポイント、貧困率は0.3ポイント上昇した。国民の大部分が、政府の食料配給制度「CLAP」に頼っているとみられる。
 UCABは「移動の難しさが雇用に影響を及ぼし、貧困を深刻化させている」と指摘。新型コロナウイルス禍に加え、米欧による反米左派マドゥロ政権への制裁が引き起こしたガソリン不足が国民の「通勤の足」を奪い、事態悪化に拍車を掛けていると説明した。
 21年は、所得格差もブラジルを抜いて米州最悪となる見込みだ。現地ジャーナリストのカルロス・カマチョ氏は時事通信に対し「人口の2割が既に国を離れた。われわれにできることは貧困に耐えるか、出国するかだけだ」と強調。反体制派の締め付けに力を入れる一方、有効な経済・貧困対策を打ち出せないマドゥロ政権への不信感をあらわにした。
 ベネズエラは、世界最大の確認原油埋蔵量を誇る。12年ごろまで貧困率は国民の3分の1程度、極貧層は1割弱だった。しかし、故チャベス、マドゥロと続く統一社会党(PSUV)政権の失政や石油価格下落、米欧の制裁による石油輸出減少が重なった結果、13年ごろから貧困層が急増している。 (C)時事通信社