米・Merckは10月1日、開発中の経口新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬molnupiravirについて第Ⅲ相臨床試験の中間解析結果を発表。プラセボ群に比べ、molnupiravir群で軽症〜中等症のCOVID-19患者の死亡または入院リスクが約50%減少したと報告した。同社は今回の結果に基づき、できるだけ早期に米食品医薬品局(FDA)に同薬の緊急使用許可(EUA)を申請するとしている。COVID-19治療における初の経口薬で、承認されれば昨年(2020年)来の世界的パンデミック状況を大きく変える可能性がある。(関連記事:「コロナ治療薬molnupiravir、国際第Ⅲ相試験が開始」

29日目までに死亡なし

 今回発表されたのは、軽症〜中等症で入院していない成人COVID-19患者1,550例を登録した国際第Ⅲ相臨床試験MOVe-OUTの、今年8月5日以前に登録された775例を対象とする中間解析結果。molnupiravir群とプラセボ群にランダムに割り付けて投与した後、29日目までの入院または死亡率などを検討した。

 検討の結果、29日目までの入院または死亡率はプラセボ群の14.1%(53/377例)に比べ、molnupiravir群では7.3%(28/385例)と有意に低かった(P<0.0012)。死亡はプラセボ群で8例発生したがmolnupiravir群では認められなかった。また、有害事象の発現率はプラセボ群が40%、molnupiravir群が35%と同等で、有害事象により治療を中断したのはそれぞれ3.4%、1.3%だった。この結果を受け、独立データ監視委員会とFDAとの協議により、同試験への登録は早期中止された。

 Merckでは今回の結果を見越し、今年初めには米国政府と調達契約を締結。EUAおよびFDAの正式承認を経て、約170万人分を供給するとしている。今年中に1,000万人分を生産予定で、規制当局の承認が得られれば各国政府にも供給予定だとしている。

(平山茂樹)