閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は夜尿症の危険因子とされている。米・Eastern Virginia Medical SchoolのAaron Snow氏らは、非重症OSA患児を対象とした多施設共同ランダム化比較試験Childhood Adenotonsillectomy Trial(CHAT)の二次解析を実施。その結果、OSA治療でアデノイドを切除した児は、経過観察のみの児と比べ夜尿症が改善する可能性が約2倍であったと、JAMA Otolaryngol Head Neck Surg2021年9月9日オンライン版)に発表した。

解析対象は非重症OSA患児393例

 OSA患児は夜尿症の有病率が高いことが報告されている。OSA治療ではアデノイド切除術が行われるが、手術を受けた患児で術後に夜尿症が減ると指摘されていた。しかし、夜尿症は自然治癒すると考えられていることもあり、過去にアデノイド切除術の夜尿症への影響を検討したランダム化比較試験は実施されていない。

 そこでSnow氏らは今回、非重症OSA患児に対するアデノイド切除術が睡眠の質、認知や行動などに及ぼす影響を検討した多施設共同ランダム化比較試験CHATの二次解析を実施。解析対象は、CHATに登録された5~9歳の非重症OSA患児393例(平均年齢6.54±1.40歳、男児192例、女児201例)。内訳はアデノイド切除術群が192例、注意深く経過観察を行う群が201例だった。

 主要評価項目は、登録時と7カ月後に評価した夜尿症の有病率。夜尿症は、小児睡眠質問票(PSQ)の夜尿症の項目への保護者からの回答で評価した。

経過観察群は新規の夜尿症リスクが約5倍

 検討の結果、登録時の夜尿症の有病率は、アデノイド切除群が59例(30.7%)、経過観察群が67例(33.3%)と両群で同等だったが、7カ月後にはそれぞれ38例(19.8%)、66例(32.8%)であった。夜尿症リスクを解析したところ、経過観察群ではアデノイド切除群の約2倍だった〔調整オッズ比(aOR)1.98、95%CI 1.25~3.14〕。

 新規に夜尿症を発症するリスクは、経過観察群ではアデノイド切除群の約5倍と高かった(aOR 4.98、95%CI 1.58~20.80)。

 夜尿症の頻度は男児に比べ女児で低かった(aOR 0.53、95%CI 0.33~0.85)。一方、BMI、年齢、人種や民族、登録時の無呼吸低呼吸指数(AHI)と夜尿症の改善との関連は認められなかった。

  以上から、Snow氏らは「アデノイド切除術を受けた非重症OSA患児は、経過観察のみの児と比べ夜尿症が改善する可能性が約2倍である」と結論。「非重症OSA患児の保護者にアデノイド切除術について説明する際に、利点として情報提供できる」と付言している。

(比企野綾子)