新型コロナウイルスワクチンの2回接種後に感染する「ブレークスルー感染」の患者は、非接種者より重症化リスクが大きく低下する傾向があることが12日、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)の大規模調査で分かった。65歳以上の高齢者では、集中治療室(ICU)に入る割合が非接種者の約7分の1に、死亡する割合は約3分の1にそれぞれ低下した。
 同センターは、今年7月以降に全国の医療機関に入院し、9月22日までに報告があった3417人を調査。うち約9割はワクチン接種がゼロか1回だった。
 接種日の記録が明確な2574人を分析した結果、ワクチンの効果が十分に強まるとされる2回目接種から2週間以上経過した後の発症者は約2%の54人。うち44人が高齢者で、発熱やせきなどの症状が出た割合は非接種者などよりも低かった。80代女性と60代男性の2人が死亡したが、いずれも心不全や高血圧などの基礎疾患があった。
 高齢者全体の治療状況を接種歴別に見ると、ICUに入ったのはワクチン非接種者のうち16.3%だが、ブレークスルー感染の人は2.3%にとどまった。死亡率も非接種の14.7%に比べ、4.5%に低下。酸素吸入の割合は約半分だった。
 同センターの松永展明室長は「ワクチンは重症化リスクを低くする傾向があるが、ブレークスルー感染が一定数あることが改めて示された。入院者は2回目接種前までの人が多く、2回接種の完了までは特に注意が必要だ」と指摘している。 (C)時事通信社