今冬に懸念される新型コロナウイルスの「第6波」に備え、岸田文雄首相は15日、医療提供体制の強化を柱とする対策の全体像を11月の早期に取りまとめる意向を表明した。感染者が急増し、自宅で亡くなる人が相次いだ「第5波」のような事態を防ぐため、首相は「感染力が今夏の2倍になっても対応できるよう万全を期す」と強調したが、十分な病床と医療人材の確保は容易ではなく、実効性をどう高めるかが課題だ。
 政府が示した全体像の骨子では、感染力が2倍となる事態に備え、経口治療薬の年内の実用化を目指すとともに、入院患者の受け入れを今夏から2割増強する目標を明記。コロナ病床として申告されながらも使用されなかった「幽霊病床」の実態を把握し、病床稼働率を8割以上に引き上げるほか、公立・公的病院の専用病床化などを進める方針を掲げた。
 今後、各都道府県に「保健・医療提供体制確保計画」の策定を要請し、病床の拡大や臨時施設の整備に向けて協議を本格化させる。しかし、医師や看護師らの人員に制約がある中、「病床の上積みやさらなる医療スタッフの確保には限界がある」(政府関係者)のが実情で、調整が難航することも予想される。 (C)時事通信社