【シドニー時事】オーストラリアで、新型コロナウイルス禍からの正常化に向けた動きが加速してきた。最大都市シドニーのロックダウン(都市封鎖)が3カ月半ぶりに解除されたのに続き、シドニーから入国する際の隔離も来月には撤廃される。ワクチン接種が進み、人々の安全が確保できたと判断されたためだが、州ごとに接種率の格差が生じており、温度差も見られる。
 接種が先行しているのは、シドニーを抱える東部ニューサウスウェールズ州。今週末には国内の州としては16歳以上の接種率が初めて80%に達する見通しで、封鎖解除に続いてコロナ対策の制限措置が一段と緩和される。11月1日からは接種済みの人を対象に約1年半ぶりに入国する際の隔離が不要となる。連邦政府による外国人の入国規制は当面続くが、ペロテット州首相は15日の記者会見で「隔離は過去のものだ」と強調した。
 豪州は今年半ばに感染力が強いデルタ株が流行したのを受けて、ウイルスを撲滅する方針から転換。ワクチン接種を強化してコロナと共存する道を選択した。ワクチンの調達では英国などと「交換取引」を実施し、不足分を補った。
 しかし、接種率は州によってまちまち。クイーンズランド、西オーストラリア両州では55%前後と出遅れ、国内では州境をまたいだ往来にも制限が残っている。ペロテット氏は「(西オーストラリア州のリゾート地)ブルームよりも前に(インドネシアの)バリに飛ぶことになろう」と皮肉った。 (C)時事通信社