【ワシントン時事】米軍制服組トップとして湾岸戦争を指揮した英雄で、ブッシュ(子)政権では黒人として初となる国務長官を務めたコリン・パウエル氏が18日、新型コロナウイルスの合併症のため死去した。84歳だった。同氏の家族がフェイスブックで明らかにした。
 パウエル氏はワクチンは接種済みだったが、報道によると、骨髄腫の治療を受けて免疫機能が低下していたという。
 ニューヨーク生まれ。両親はジャマイカ移民。ニューヨーク市立大を卒業後、1958年に陸軍に入隊。レーガン政権末期に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務め、89年、黒人として初めて制服組トップの統合参謀本部議長に就任した。2001~05年にブッシュ(子)政権で国務長官。
 統合参謀本部議長として91年の湾岸戦争を勝利に導き、国民的英雄となった。明確な戦略目標への圧倒的な兵力投入や、出口戦略の用意など戦争に対する基本姿勢は「パウエル・ドクトリン」として知られた。
 96年や00年の大統領選への出馬が取り沙汰されたが、反対する家族の感情などを考慮して出馬しなかった。
 国務長官時の03年、国連安保理会合でイラクの大量破壊兵器の「証拠」を示し、イラク戦争開戦に向けた国際世論形成を図った。しかし戦後になって大量破壊兵器が存在しなかったことが明らかになり、厳しい批判にさらされた。
 08年の大統領選では、共和党政権の元閣僚ながら、黒人初の大統領を目指す民主党候補のオバマ上院議員(当時)を支持した。 (C)時事通信社