厚生労働省は2022年度、認知症患者や家族が悩みを打ち明け合う機会を増やすため、交流の場を定期的に設ける市区町村への補助に乗り出す方針だ。患者が抱える不安や孤独、家族の介護に対する負担感を和らげ、良好な家族関係の維持などにつなげる。
 政府の高齢社会白書などによると、認知症の高齢者は12年時点で推計約462万人。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年には、65歳以上の高齢者の5人に1人に相当する約700万人に増えると見込まれている。
 認知症と診断された人は不安や孤独を感じ、家族も小さなミスを責めてしまうなど、関係が悪化する恐れがあり、第三者もいる中で互いの気持ちを整理する場などが重要になる。
 厚労省は20、21両年度、社会福祉法人による交流の場づくりに向けたモデル事業に補助。20年度のモデル事業は5カ所で行われ、複数の患者や家族が参加した。一緒に合唱やスポーツなどに取り組み、それぞれの状況を共有したり、悩みを打ち明けたりする機会を設けた。
 厚労省はこうした取り組みを参考に、市区町村が設ける交流の場の活動内容や、開催・運営経費に対する補助金の要件などを詰める。交流の場の企画・運営は、市区町村が任命し、患者や家族の相談に応じている「認知症地域支援推進員」などが担うことを検討する。 (C)時事通信社