【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスワクチンの接種が完了した人に、別のコロナワクチンを追加接種する「混合接種」が米国で始まった。利便性の向上が期待される半面、医療現場などでワクチンの取り扱いが複雑化し、混乱を招く可能性もある。
 米国では現在、ファイザー製、モデルナ製、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンを使用。当局は21日までに、3種類の混合接種を認めた。
 米疾病対策センター(CDC)によれば、追加接種でも以前と同じ種類のワクチンを選ぶのが望ましい。ただ、在庫がなかったり、以前の接種で副反応があったりした場合は、別のワクチンでも良い。このため今後は、介護施設などで大人数に追加接種する際、全員に同じワクチンを打つことが可能になる。
 J&J製ワクチンは接種後、ごくまれに血栓症を発症するケースが報告されている。CDCはこの場合、追加接種でファイザー製かモデルナ製にするよう勧めている。
 一方で、3種類のワクチンを組み合わせることには懸念の声も上がっている。接種完了から追加接種までの間隔や、ワクチンの投与量などが異なるからだ。
 ファイザー製とモデルナ製の追加接種は、対象を65歳以上や感染・重症化リスクが高い人に限定。これに対し、J&J製は18歳以上なら誰でも受けることができる。5~11歳向けに投与量を減らしたファイザー製の接種も近く始まる見通しで、医療関係者らはミスや事故を防ぐため、細心の注意を求められる。
 国民への周知も容易ではない。食品医薬品局(FDA)の諮問委員を務める外部の専門家は「(追加接種の)情報発信が極めて複雑になる」と指摘した。 (C)時事通信社