予防接種推進専門協議会(以下、同協議会)は10月13日、今冬(2021/22年シーズン)においてもインフルエンザワクチンの積極的接種を強く推奨するとの考えを示した。昨シーズンのインフルエンザウイルス感染者は1.4万人で、2019/20年シーズン(728.5万人)に比べ極めて少なかったことから、今冬は感受性者の増加が懸念されている。(関連記事「インフルワクチンの積極的接種を推奨」)

今季も13歳以上の接種は原則1回

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)への感染予防対策として、三密回避、人流抑制、飛沫感染対策、手指衛生などが周知徹底された。これらがインフルエンザ感染予防にも有効であったことなどから、昨冬のインフルエンザウイルス感染者は、2019/20年シーズンの500分の1以下となる1.4万人に抑えられた。

 現在、わが国におけるCOVID-19流行第5波の患者数は減少傾向にある。しかし今冬にCOVID-19患者数が再び増加に転じ、インフルエンザの流行期と重なることで外来患者の増加に伴う医療体制の逼迫が懸念される。また前述の通り、昨シーズンはインフルエンザ感染者が極めて少数であったことから、今シーズンにはインフルエンザ感受性者が増加している可能性も考えられる。

 そのため、同協議会は「2021/22年シーズンにおいても、インフルエンザワクチンの接種を強く推奨する」との見解を示した。

 2021年度のインフルエンザワクチン供給量は、製造効率が高かった昨年度に比べ少ないものの、例年の使用量に相当するものと見込まれている。ただし、昨年度のペースより遅れて供給されるため、厚生労働省によると今年10月第5週時点の出荷見込み量は全体の65%程度にとどまり、11~12月中旬ごろまで継続的に供給される見込みであるという。

 したがってインフルエンザワクチンの効率的な使用が求められ、昨年同様に13歳以上の接種は原則1回となる。

インフルエンザ罹患後の続発性細菌性肺炎の予防も

 同協議会は、問題となっている季節性インフルエンザに続発する細菌性肺炎(二次性細菌性肺炎)についても考えを示した。

 インフルエンザ、細菌性肺炎に罹患すると重症化しやすい高齢者および基礎疾患を有する者では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種を優先しつつ、適切なタイミングでインフルエンザワクチン、二次性細菌性肺炎の主な起因菌である肺炎球菌に対するワクチンの接種が重要である()。

図. 2021/22年シーズンにおけるインフルエンザワクチンなどの接種に関する考え方のイメージ

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(予防接種推進専門協議会発表資料)

 同協議会は、肺炎球菌ワクチン定期接種対象の65歳以上において、2019年度は定期接種率が低下したとの厚労省の報告を引用し、よりいっそうの接種率向上が求められている現状を訴えた。

 なお2種類ある肺炎球菌ワクチンのうち、定期接種対象の65歳以上の高齢者には23価莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)の接種を優先する。 定期接種対象外の①65歳以上の高齢者〔過去に定期接種でPPSV23を接種し、再接種に該当する高齢者を含む)〕、②6~64歳の基礎疾患を有する高リスク者―には13価結合型ワクチン(PCV13)とPPSV23の連続接種を選択するとしている。

(田上玲子)