一般向けに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するコロナワクチンの情報提供を行っているLINEのチャットボット「コロワくん相談室」(関連記事〔「コロワくんの相談室」LINEボットが始動!〕)。運営団体の一般社団法人コロワくんサポーターズは10月23日、Alliance for Advancing Health Online(AAHO)によるワクチン・コンフィデンス・ファンド(VCF)の研究助成金を受賞したと発表した。今回助成金を受賞したのは33団体で、日本からは唯一の受賞となった。この助成金を基に、同ワクチンの忌避解消に向けたソーシャルメディアの有効性を検証するランダム化比較試験(RCT)を予定しているという。

LINEでコロナワクチンの疑問を即座に解決

 コロワくんの相談室は、「コロナワクチンへの不安を少しでも減らしたい」と考える日米で働く医師とIT業界で働くデザイナーやエンジニアら有志が中心となり結成されたコロワくんサポーターズが、無料で提供している。LINEから友達登録をするだけで、コロナワクチンの接種方法、副反応の情報、年齢や妊娠/授乳期、アレルギーの既往などを有する場合のワクチン接種への疑問について、即座に回答が得られる。

 同サポーターズの代表は、米・ニューヨーク市のマウントサイナイ大学病院老年病/緩和医療科の山田悠史氏、Medical Tribuneウェブの人気連載「みんなで肺がん注目論文徹底検証しちゃいました。」「日常臨床に活かそう!きゅーと先生@肺癌勉強会の論文レビュー」でお馴染みの日本鋼管病院(川崎市)呼吸器内科医長の田中希宇人氏もサポーターとして参画している。

600人を目標に、RCTでコロナワクチンの接種意向を検証

 今回のVCFには世界各国から約300団体の応募があり、米・ジョージワシントン大学、米・カリフォルニア大学サンフランシスコ校などとともに、同サポーターズが日本から唯一の受賞者として選ばれた。

 今後、同サポーターズはこの助成金を基に、香港大学、ロンドン大学との協力体制の下、日本国内においてコロナワクチン忌避の解消にソーシャルメディアの活用が寄与するかどうかを検証するRCTを計画。コロナワクチン非接種で接種の意思がない/迷い中の20歳以上を対象に、①コロワくんの相談室利用群、②無料のウェビナーにより医療従事者がコロナワクチンに関する情報を提供するウェビナー利用群、③非介入群-の3群に分類。主要評価項目として、コロナワクチンの接種意向(はい/分からない/いいえ)、副次評価項目として、コロナワクチンの(非)接種の意向と理由、Vaccine Confidence Index、ソーシャルメディアの利用時間/種類を検証する。目標症例数は600例。

 受賞に当たり、山田氏は「このような機会を得ることができ、大変光栄に思うとともに大きな責任も感じている。幸い日本国内ではコロナワクチンの接種率が高まってきているが、他のワクチンではまだまだ接種率の低いものもあり、今回の経験をこれで終わりにするのではなく、未来につなげるためにも臨床試験で新しいオンラインプラットフォームを活用した介入に関する知見を蓄積することが大切。今回の試験でオンラインプラットフォームを用いた介入の有効性が示されれば、今後国外での検証や他のワクチンでの検証も行いたい。このような研究活動を通して、少しでも日本の、そして世界のワクチン忌避への対策に貢献できれば」とコメントを寄せた。

  • AAHOは、世界の健康やコミュニティ・レジリエンスへの理解の促進と強化に向け、どうすればソーシャルメディアが最適に活用されるのかの社会的理解を推進すべく、テクノロジー、ヘルスケア、国際開発、研究機関からのメンバーで構成される組織。米・疾病対策センター(CDC)財団、英・ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院ワクチン・コンフィデンス・プロジェクト、世界銀行、米・セービンワクチン研究所、Facebook、メルクなどが参加している。VCFは、AAHOによる初めてのフラグシップ・プログラムで、ソーシャルメディアやその他のオンラインプラットフォームを活用して、予防接種に対する人々の理解を深め、信頼性を高めることを目的に、研究助成金として総額700万ドル以上を提供するもの。

(編集部)