新型コロナウイルス禍で苦境に立たされた全国の土産菓子メーカーが、観光客頼みだったこれまでのビジネスを見直し始めた。ういろうの老舗、青柳総本家(名古屋市)は地元客を狙った新商品を開発。北海道の定番土産「白い恋人」の石屋製菓(札幌市)が海外に活路を見いだすなど、販売ルートを広げる試みも目立つ。
 調査会社の富士経済(東京)によると、土産菓子の市場規模は2020年に前年比43.0%減の2300億円へ縮小した。コロナ禍で旅行や出張が激減し、訪日外国人の需要も消失した。
 青柳総本家も売り上げ減少に苦しんだ。目を付けたのはイタリア菓子「マリトッツォ」ブーム。試行錯誤の末、あんこ入りの定番商品「カエルまんじゅう」に生クリームなどを詰めた和洋折衷の生菓子「ケロトッツォ」を開発した。
 7月下旬、名古屋市内の2店舗で発売したところ、見た目のかわいらしさが話題を集め、連日1時間ほどで完売した。期間限定販売の予定を変更して定番化。後藤稔貴取締役は「名古屋の日常菓子として広げたい」と意気込む。
 「元祖紅いもタルト」で知られる御菓子御殿(沖縄県読谷村)は1月、地元産の紅芋と紅豚を使ったレトルトの「紅いもカレー」を発売した。紅芋ペーストが大量に余ったのがきっかけで開発した。売れ行きは好調で、担当者は「地元の方や沖縄に旅行で来たことのある方が共感してくれた」と話す。
 石屋製菓は12月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに海外1号店をオープンする。「白い恋人」はこれまで常設店舗での販売を道内に限定してきたが、10月に国際博覧会(万博)が開幕した世界有数のリゾート都市に進出。酒が飲めない分、甘い物好きが多い現地のイスラム教徒はもちろん、欧米などからの観光客にアピールする。
 緊急事態宣言の解除で観光地はにぎわいを取り戻しつつあるが、脱「観光客頼み」の取り組みは続きそうだ。生八ッ橋「夕子」などの販路を大手通販サイトにも広げた井筒八ッ橋本舗(京都市)は「今後もコロナの影響は続く」(広報担当者)と、ポストコロナの販売手法に知恵を絞っている。 (C)時事通信社