【バンコク時事】11月1日から新型コロナウイルスワクチンの接種完了などを条件に、外国人観光客の隔離を免除するタイで、旅行者の回復による経済再生への期待が高まる一方、感染再拡大に対する警戒が広がっている。1日当たりの新規感染者が1万人程度で推移する中、世論調査では6割が観光客受け入れは時期尚早と回答した。
 隔離免除はワクチン接種や空路での入国、出発前と到着時の陰性確認などが条件で、日本を含む46カ国・地域からの渡航者が対象。「リスクが低い国・地域」という判断だが、感染が広がる英国やドイツも含まれる。
 バンコクの屋台で総菜を売る女性ウライラットさん(55)は「観光客が来て得するのは商業施設やホテル、航空会社だけ」と憤る。また、「旅行者がマスクを着用するとは限らない」と指摘した。マスクは全土で義務付けているが、7月に観光客の受け入れを再開した南部プーケットでは、着けない欧米人が目立つ。
 タイではワクチン接種の遅れも問題となっている。これまで1回接種した人は6割弱で、2回終えた人は4割強。ウライラットさんは「私の周囲には1度も接種していない人がいる。ワクチンが先だ」と強調した。
 会社員の女性ダンタワンさん(36)は「渡航者が新たな変異株をタイに持ち込まないと言えるだろうか」と疑問を呈する。タイには今年4月以降、変異株が爆発的に広がった苦い経験がある。ダンタワンさんは「ワクチン接種率の高い地域から段階的に開放すべきだ」と訴えた。 (C)時事通信社