【ニューヨーク時事】米国で5~11歳への新型コロナウイルスワクチン接種が近く始まる運びとなった。家庭や学校での感染予防が期待できる半面、専門家の間では接種の義務化に慎重論もある。
 米食品医薬品局(FDA)は29日、5~11歳へのファイザー製ワクチンの緊急使用を許可した。ウッドコック長官代行は「保護者や教職員、子どもたちが、きょうの許可を待っていたことは承知している」と、子どもの接種への期待の高さを強調。子どもはコロナの感染・重症化リスクが低いとされるものの、周囲の人にうつす恐れがあるほか、一部で重症化・死亡例も出ている。
 5~11歳を対象としたファイザー製ワクチンの臨床試験(治験)では、90.7%と高い有効性が確認され、深刻な副反応は見られなかった。同社やモデルナのワクチンは、若い男性を中心に、接種後ごくまれに心筋炎や心膜炎の発症が報告されているが、FDAは接種による利点が副反応のリスクを上回ると判断した。
 FDAが安全性にお墨付きを与えたとはいえ、副反応などを理由に、子どもへの接種をためらう親も多い。米NPOが9月に実施した5~11歳向け接種に関する調査では、当局が許可すれば「すぐに接種させる」と回答した親は34%。一方、24%が「絶対に接種させない」と答えた。
 一部の専門家からも慎重論が出ている。今月開かれたFDAの諮問委員会で、委員を務めるタフツ大のコディー・マイズナー教授(小児科学)は「州が子どもの接種を義務付けることに反対する」と述べ、希望者のみにとどめるべきだとの見方を示した。 (C)時事通信社