衆院選の選挙戦最終日となった30日、全国を駆け巡った与野党党首の多くが、東京など首都圏で街頭演説を締めくくった。子育てや医療、新型コロナウイルス対策。翌日に投票を控えた有権者らは暮らしに直結する政策への関心が高く、訴えを真剣に吟味した。
 自民党総裁の岸田文雄首相は午後7時半ごろ、東京都品川区のJR大井町駅前で最後の演説をし、「自民党は成長も分配も両方やる。野党のように分配だけではいつか分配するものがなくなってしまう」と声をからした。
 横浜市から訪れた団体職員の男性(55)は「投票先をどうしようかと思って来た。どこも似たようなことを言っていて迷う」。寝たきりの父親を介護する品川区の主婦(50)は「生活に身近な話がなかった。成長と分配が本当に弱者にまで行き渡るのか不安」と語った。
 立憲民主党の枝野幸男代表は、自身の選挙区であるさいたま市大宮区のJR大宮駅東口で最後の訴え。政府の新型コロナウイルス対応を「後手後手だった」と痛烈に批判し、「こんな政治は変えよう。変えさせてください」と声を張り上げた。
 仕事帰りに立ち寄った同市の医療従事者の飯田圭将さん(41)は「日本は他国と比べて賃金が上がっていない。政治の力で変えてほしい。帰って政策を見直して、投票に行きたい」と話した。同市の山崎妙子さん(81)は「正直者がまっとうに生きていける世の中になってほしい」と話した。
 公明党の山口那津男代表は午後2時ごろ、JR新宿駅東口でマイクを握り、「0歳から18歳への給付金を実現させる」と訴えた。5カ月の息子を連れた新宿区の女性(32)は「子どもを育てやすい社会をつくってほしい」と期待。看護学校に通う男性(22)は各党の演説を聞き比べたといい、「生活に直結する政策を重視して投票したい」と話した。
 共産党の志位和夫委員長は川崎市内での演説で「政府のコロナ対応は医療崩壊を招いた」と批判。同市の元看護師の女性(68)は「医療現場の人手不足にも目を向けてほしい」と求めた。 (C)時事通信社