【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は11月2、3の両日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。新型コロナウイルス危機から経済が立ち直る中、国債などの資産購入を通じた量的緩和策の縮小を決定する見込み。コロナ禍への対応で導入した異例の大規模緩和を見直し、金融政策の正常化に向けて一歩踏み出す。
 「量的緩和を縮小する時だ」。パウエルFRB議長は10月22日のパネル討論で明言した。米国ではコロナ感染拡大で一時約2200万人分の雇用が失われたが、9月までに就業者数は1700万人以上回復した。インフレ率も目標の2%を大幅に上回って推移しており、FRB高官らは緩和縮小を始める条件を満たしたと見なしている。
 前回9月のFOMCでは、現行の月額1200億ドル(約13兆7000億円)の資産購入規模を、毎月150億ドルずつ減らし、来年中ごろに完了するシナリオが話し合われた。緩和縮小に向けた準備は万端と言える。
 一方、一部部材の供給逼迫(ひっぱく)問題が金融政策運営の先行きに影を落としている。半導体の供給不足で自動車生産が停滞し、中古車価格が急上昇。エネルギーの高騰も重なり、9月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇と、約30年ぶりの高水準となった。
 インフレの高止まりが続けば、量的緩和縮小のペースを速め、利上げ時期を前倒しするよう求める声が強まりそうだ。パウエル議長は「利上げは時期尚早」と早期利上げ観測をけん制する一方で、「供給逼迫がさらに長引き、一段の物価高を招くことは明らかなリスクだ」と警戒している。 (C)時事通信社