岸田文雄首相は1日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた経済立て直しに向け、生活困窮者や事業者向けの給付金を盛り込んだ大型経済対策を今月中旬に取りまとめる方針を明らかにした。感染再拡大に備え、陽性が判明した自宅療養者に必要なケアを速やかに施すことが可能な即応体制を整備する意向も示した。
 首相は大型経済対策を盛り込んだ2021年度補正予算案を編成し、年内に成立させる方針を重ねて表明。「今月前半までに新型コロナ対策の全体像を示す」と語った。
 経済対策の焦点となる給付金については、「非正規、子育て世代などで生活にお困りの方へのプッシュ型給付金を盛り込む」と説明。早期実施に向け、18歳以下への一律10万円給付を衆院選で公約した公明党と調整を急ぐ考えを示した。「クリーンエネルギー投資も柱の一つに盛り込む」とし、人の移動を促すことで感染拡大が懸念されたGoToトラベルについて「安全安心な形に見直し、再開を検討する」と述べた。
 今年に入り、新型コロナの感染状況が急速に悪化した際、患者が適切な対応を受けられないまま自宅で死亡する事例が各地で問題化した。首相は「全ての自宅・宿泊療養者に陽性判明当日か、その翌日には専門家が連絡を取る即応体制を構築する」と強調。年内実用化が期待される経口治療薬について「必要量を確保する」と語った。
 看護などの現場での賃上げにも言及し、「収入を増やすため来週にも公的価格評価検討委員会を設置し、抜本的に見直す」と明言。税制改正などを通じて企業の賃上げを促進する方針を明らかにし、「私自ら労使の代表と向き合い、議論を主導する」と決意を示した。
 中国の軍事力増強や北朝鮮ミサイルの脅威を念頭に置いた国家安全保障戦略の改定にも触れ、「ミサイル防衛力、人工知能(AI)など先端技術、宇宙、サイバーなどの新たな課題にスピード感を持って対応する」と語った。 (C)時事通信社