衆院選の与党勝利を受け、岸田文雄政権は「数十兆円規模」の経済対策の取りまとめを急ぐ。11月中旬の閣議決定を目指しており、財源の裏付けとなる2021年度補正予算を年内の国会で成立させたい考えだ。看板政策とする成長と分配の好循環による「新しい資本主義」をどう具体化するか早速問われることになる。
 岸田首相は経済対策をめぐり、新型コロナウイルス禍の長期化に対応し、事業規模に応じた事業者への給付金や、非正規労働者や子育て世帯を対象とした給付金の支給を柱とする方針を示している。一方で公明党は、0歳から高校3年生までの子どもを対象とした1人10万円相当の給付や、マイナンバーカード保有者への3万円分のポイント付与を求めている。
 首相は1日の記者会見で、個人への現金給付に関し「(公明党と)重なる部分を中心にできるだけ調整し、経済対策としてまとめたい」と強調。一方、政府の観光支援事業「Go To トラベル」については、「安全・安心な形に見直した上で、再開を検討する」と述べた。
 政府は成長と分配の好循環を通じた中間層の所得拡大に向け、10月に設置した「新しい資本主義実現会議」で議論を開始。11月上旬にも緊急提言を行って経済対策に反映させるとともに、来年春までに新たな経済社会の全体像をまとめる。
 経済対策に併せ、22年度の予算案や税制改正に向けた作業も本格化する。首相は、賃上げした企業に対する法人税の優遇措置の拡充や、看護、介護、保育分野の待遇改善について年末までに具体化する方針だ。経済対策や22年度予算では、科学技術やデジタル、脱炭素分野のほか、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を通じた経済安全保障の強化などに重点投資する。 (C)時事通信社