衆院選で自民党が絶対安定多数に到達したことを受け、産業界では政策の継続が確保されたと歓迎する声が広がった。新型コロナウイルス対策と経済活動の両立や、岸田文雄首相が看板政策に掲げる「新しい資本主義」の具体化にも期待が寄せられた。
 経団連の十倉雅和会長は1日、選挙結果を受けて記者団の取材に応じ、脱炭素社会の実現とエネルギー政策の再構築、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの課題を挙げ、「安定した政治体制で取り組んでいただきたい」と語った。
 特に産業界が要望するのは経済活動の活性化だ。日本商工会議所の三村明夫会頭は「感染対策と社会経済活動を両立できる出口戦略を手段と時間軸を明確にして進めてほしい」とのコメントを発表した。航空業界からは「効果的な感染症対策と出入国規制の緩和にスピードを上げて取り組んでほしい」(ANAホールディングスの片野坂真哉社長)との声が聞かれた。
 新しい資本主義の検討では、「中小企業の成長力強化と地域経済との好循環」(三村氏)や「民を最大限活用した社会的課題の解決」(新経済連盟の三木谷浩史代表理事)について議論するよう注文が付いた。
 一方、商工族として知られる甘利明自民党幹事長の小選挙区での落選(比例で復活当選)に「想定外」(大手企業幹部)と動揺する声もある。甘利氏が主導してきた半導体戦略など経済安全保障をめぐる議論への影響を懸念し、「岸田政権の政策の真価が問われる」(自動車大手幹部)との見方も出ている。 (C)時事通信社