20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は10月31日の首脳宣言で、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた世界経済の安定に向け、連携していく方針を確認した。国際的なサプライチェーン(供給網)の混乱や、インフレ圧力への警戒感も表明。「必要とされる間はすべての利用可能な政策手段を用いる」として、引き続き危機克服に全力を挙げる姿勢を強調した。
 首脳宣言は、ワクチン普及や政策支援を背景に、「世界の経済活動は強固なペースで回復している」と指摘。一方で、回復度合いが国・地域ごとに大きく異なる点にも言及した。新たな変異株の拡大や、国ごとのワクチン接種状況の差もリスク要因に挙げた。
 ワクチンが普及した先進国では経済の正常化が進むが、開発途上国などでは接種が遅れ、生産や物流の足かせになっている。日本も東南アジアからの部品供給が滞り、自動車の減産を迫られている。
 原油価格などの高騰により、世界的にインフレ圧力への懸念も強まってきた。宣言は、中央銀行がインフレ圧力を注視し、「物価安定を含む使命を果たすため必要に応じて行動する」ことも掲げた。
 また、法人税率を最低15%とすることなどが柱の新たな国際課税ルールについては、「歴史的な成果だ」と最終合意を歓迎。2023年からの発効に向け、多国間協定の迅速な策定などを求めた。 (C)時事通信社